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#17

ゆずの魔法

さわやかな香りが特徴の「ゆず」は、日本で古くから愛される冬の柑橘です。ゆずの原産地は中国で、約1300年前の奈良時代までに朝鮮半島を経て日本に伝わり、西日本で薬用として栽培されてきました。江戸時代には冬至の日の風習である「冬至柚(湯)」が受け継がれていることから、長きに渡って私たちの生活に浸透し、親しまれてきた果実です。ゆず湯は血行促進や肌の保湿に良いといわれるので、寒くて空気が乾燥する季節に最適です。また、ゆずの香りは神経をリラックスさせる効果も期待できます。
私は、幼少時代にゆずの香りを料理で感じました。茶碗蒸し、お吸い物、柚子胡椒、お雑煮などなど。大人になってからは、アクセントで香るゆずの風味にホッコリしますが、幼いころは、厳かな雰囲気の食事の際にゆずの香りが登場したように思います。美味しい味のその奥には、どこか襟を正さないといけない、そんな雰囲気の中で味わう香りでした。
先日、スーパーで枝付きのゆずが売られていました。ゆずは1年を通して流通していますが、旬は11月から12月頃です。ゆずは耐寒性が強く、鉢植えでも育てることができるので、家庭菜園としても人気が高いです。特に、花柚子という品種は、本柚子とは別種の柑橘類になりますが、苗木からすぐに収穫が期待できます。
一般的に「桃栗三年、柿八年」という慣用句をご存じの方は多いですが、その意味には、物事は短期間で成しえるものではなく、時間がかかるものだという比喩が含まれています。この慣用句の後ろに続く言葉をご存じですか?実は、「柚子は九年の花盛り」や「柚子の大馬鹿十八年」と言葉が続くそうです。なるほど。おばあちゃんや母は、私に向かって「人の成長には時間がかかること」を、ゆずの香りを料理にのせてメッセージを送ったのかもしれません。
この冬は、爽やかなゆずの香りの中に苦みと木々の香りが感じられるkagural yuzu blendの落ち着きのある香りに、「今ここで成長している」という意識を高めながら、心も体も温まりたいと思います。


参考文献:日本統合医学協会 公式テキストⅠ-p74
日本香料工業会HP https://www.jffma-jp.org/learning/jpn-flavor/kousankankitsu.html

kagural kinmokusei blendのご案内ページ
https://www.kagural.menicon.co.jp/kinmokusei/

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